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化するとともに、特に環境への配慮に踏み込んだ規定を盛り込んだ。
計画改定に当たっては、数回にわたり市町村の担当課長会議を開催し、意見交換を行い、最終的には文書で意見照会を行った。市町村のうち、足柄上郡・足柄下郡など農林業的土地利用の多い県西部地域の町村からは、当該地域の予測人口を増加やしてもらいたい、開発抑制方針を緩和してもらいたい、県土利用の東西のアンバランスを是正してもらいたい等の強い意見が出され、県職員が説明に四苦八苦する場面もみられた。
また、神奈川県では、1957(昭和32)年から、大規模な開発計画に対して、個別法の許認可手続に入る前に、土地利用調整委員会等の庁内組織において総合的な調整を行い、事業者に対する事前指導を行ってきたが、1994(平成6)年の行政手続法施行などを受けて、この土地利用調整の手続に法的根拠を付与するため、1996(平成8)年3月神奈川県土地利用調整条例を制定した。この条例は、開発行為等の計画について、あらかじめ知事に協議することを義務づけ、総合的な調整を行うことにより、「県土の計画的な利用」を図り、もって「県土の均衡ある発展と県民の福祉の増進」に資することを目的とする(条例第1条)。神奈川県では、1971(昭和46)年頃から次のような土地利用の方針を定め、これを確保するために各種の指導基準等を策定して行政指導として土地利用調整を行ってきた26)。

 

?@市街化調整区域における大規模開発の抑制方針(都市計画法上は許容される宅地開発等の大規模開発を、人口抑制等の観点から抑制するという方針)
?A未線引白地地域等における開発抑制方針(都市計画法等の法律では許容される開発について、自然環境の保全等の観点から抑制するという方針)
?B相模湾等における公有水面の埋立抑制方針(横須賀市観音崎から湯河原に至る海岸における埋立は、自然開眼の保全のため公共事業等を除き認めないという方針)
?Cゴルフ場新設の規制方針(県内におけるゴルフ場新設は凍結するという方針)

 

条例制定の背景には、長期間こうした行政指導を行ってきており、今後ともこれらの方針を維持していくため、土地利用調整の実効性を確保する必要があるという事情があったのである。
条例では、事業者が地域住民等に計画内容を周知し、その意見を聴くという手続(第4条)や、知事が審査に当たり市町村長の意見を聴くという手続(第5条)なども定めてい

 

 

 

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